こんにちは、ナース熊猫(くまねこ)です。
今回は、【実際に働いて感じた派遣看護師のメリット・デメリット】をお話します。
「派遣看護師って『短期間で高収入』とか、魅力的な話ばかり聞くけど大丈夫?」
こんな疑問を解決する内容にしました。
世間一般のメリット・デメリットではなく、派遣看護師を5施設で経験した私の経験を中心にお話します。
参考になれば嬉しいです。
派遣で働くメリット
私が5か所で派遣看護師をしてみて感じたメリットは次の通りです。
では詳しく見ていきましょう。
自分が希望する働き方ができる
例えばこんな働き方ができます。
- 『次の就職まで』『留学に行くまで』、など数か月だけ『つなぎ』で働く。
- 週休3日で働く
- 残業をしない(そもそも派遣NSは残業ほぼ無いです)
補足)派遣看護師は残業手当が高くつくので、『派遣さんには残業させない』という方針の施設が多いです。
資格取得の勉強をしたり、趣味に打ち込んだり…
または、何をするわけでもないけど、ゆったり暮らしたい、そんな希望もかないます。
自分のさじ加減で時間を作れる『自由度の高さ』が派遣看護師の一番の魅力です。
給料が良い
派遣といえば給料の良さ。
案件や働く地域によって違いますが、私がこれまで受けた派遣案件の例でいうと、
- 病棟フリー業務→ひと月手取り40万円
- 企業看護師・メンタルヘルス管理業務→時給1800円
- 有料老人ホーム→時給2000円
という感じ。ちなみ私は関西圏です。
とはいえ…
パッと見は高給取りの派遣看護師ですが、ボーナスなし・昇給なしなので、トータルで考えると常勤で働くのと同じくらいの給料になります。
それでも派遣看護師がオススメなのは、常勤でできないような『自由度の高い暮らし』ができるから。
たとえば、半年ガッツリ働いて長期の旅行に出かける、なんて暮らしも可能です。
20代30代の一時期であれば、派遣で自由に働いて、看護以外のことを経験する時間を作るのはとても有意義だと思います。
人間関係のストレス少なめ
どんな職場でも人間関係のストレスはつきもの。
派遣看護師の場合も、人間関係のストレスがゼロとは言いませんが、常勤メンバーで働くよりはずっと少ないです。
常勤メンバーにとって、派遣さんは数か月だけの助っ人。
職場にもよりますが、まじめに業務さえこなしていれば面倒なイザコザに巻き込まれることは少ないかなと思います。
私の経験上でも、クールな対応の人はいましたが、人間関係が辛くて悩むようなことはまったく無かったです。
『数か月でこの職場を去る!』って思うと少々のことはストレスにならないのも派遣のメリットですよ。
日々の業務に専念できる
常勤(正職員)で働くと付いてくるのが、
- 委員会・係活動
- 病棟会、チーム会
- 勉強会
- 新人さんの教育など
日々の業務プラスでちょっと(かなり)面倒な仕事が回ってきますよね。
なんなら休日も潰れることも。
一方で、日々の看護業務だけキッチリこなしていれば任務完了なのが派遣看護師です。
派遣先によっては、病棟会や重要な勉強会に出席を求められることもありますが、まれです。
なぜなら、出席してもらうと時間外手当を出さないといけなくなるので。
義務的に参加を求められる“もろもろの会”がないのは本当に気が楽ですよ。
あちこちで働いても履歴書が散らからない
派遣看護師の雇い主は派遣会社です。
なので派遣看護師としての経験を履歴書に書くとしたら、
『人材派遣会社○○にて派遣看護業務に従事』という感じでOK。
同じ派遣会社で雇用されている間に、3か月や6か月ごとに派遣先が変わっても、詳細を書く必要はないんです。
私も派遣の経歴はアッサリ書く派。
もちろん詳しく書いてアピールポイントにするのも◎ですよ。
『短期間で職を転々としたの!?』みたいな履歴書にはならないので安心してください。
履歴書を散らかすことなく(表現雑)、いろんな職場を経験できるのもメリットです。
困りごとは派遣会社に相談できる
休み希望くらいなら、派遣先の上司(師長さんなど)に直接伝えます。
ですが直接伝えにくいことや、契約内容に関わること
例えば…
- 契約外の業務をさせられて困っている
- 人間関係のトラブルに巻き込まれた
上記のようなことは派遣会社の担当者さんに相談し、間に入ってもらいます。
『勤務日数を週5→週4でも良ければ、契約を延長したい』と希望したところ、
派遣会社が交渉してくれて、希望通りに変更してもらったことがあります。
「休みを増やしてほしい」みたいな希望は自分から直接言いにくいですよね。
派遣会社が間に入ってくれるのは本当にありがたいです。
いろいろな職場を経験できる
介護施設、企業、検診センターなど、いろいろな職場でちょこっとずつ働けるのは、経験や視野を広げる意味で大きなメリットです。
病院以外でも看護師が活躍できる場所はたくさんあります。
もし今、『看護師向いてないなあ』って思うことがあったら、介護福祉の場、企業や学校など、場所を変えて働いてみてほしいです。
派遣看護師として数か月でも実際に働いてみることで、
『自分に合ってる』『ちょっと楽しい』と思える職場が見つかる可能性が十分にありますよ。
契約更新しなければ辞められる
派遣看護師の任務は契約期間を無事まっとうすること。
契約を更新するかしないかは自由に決められます。(※派遣先の都合で契約終了になる場合もありますが)
更新せず辞める場合も、正社員が退職するときのような引き留めにあうことはありません。
長く働くことが前提ではないので、職場を去るプロセスはかなり気が楽ですね。
派遣で働くデメリット
次に、派遣看護師として働くデメリットはというと
詳しく見てみましょう。
いちいち覚える・慣れる必要がある
派遣の宿命ですが、
派遣場所が変わるたびに、新しいことを覚える、慣れる必要があります。
具体的に言うと…
- 業務の流れ
- 物品の位置
- 検査室の場所
- スタッフさんの名前…など
とはいえ、覚えないと仕事にならないし、仕方がない部分なんですよね。
私の経験から言うと、始める前から不安になる必要はないかなと思います。
『派遣看護師は即戦力を求められる』とよく言いますが、ところ変わればやり方が違うのはあたり前。
受け入れる側も、
『いくら即戦力になれる人でも、環境に慣れる時間は必要』
という認識は持ってくれています。
実際に働き始めると、だいたい1週間ほどで自然と覚えられて、慣れてきますよ。
ただ、『環境変化がストレスになりやすい』という人もいると思うので、そのあたりは向き不向きを自己分析してみてほしいです。
一か所で長く働き続けられない
派遣看護師の派遣期間は、短くて1日~数日(単発派遣)、他には月単位(3か月、6か月など)で、双方の合意があれば契約期間を延長していくスタイルが多いです。
ですが労働者派遣法の制限によって、一か所で働けるのは最長3年までとなっています。
どうせ3年働くなら、常勤になって福利厚生や昇給のラインに乗っかった方が、長期的にみて賢い選択です。
派遣はいくら長く働いても昇進・昇給はありませんし、ボーナスもないので。
『短期間で、高時給で、いろんな職場でちょこちょこ働ける』というのが派遣看護師の一番オイシイところ。
長くはたらく希望がある方は、やはり常勤がオススメです。
世間で言われているデメリットは本当?
世間で言われている派遣看護師のデメリットは、上記のほかにもいくつかあるのですが、
実際に働いてみると、『そうでもないけどな~』と感じることもあるので詳しくご紹介します。
派遣看護師で働いてもスキルアップできない?
結論から言うとスキルアップはできます。
多くの派遣先は、最先端医療を提供するような医療機関ではないので、そっち方向(最先端)へのスキルアップは確かにできません。
ですが、医療福祉分野は広いです。一か所で働いていては知れないことを知れます。
例えば
この他にも知れること・学びが多様にあるので、今後のキャリアの幅を広げる貴重な経験になります。
派遣看護師は経歴としてマイナス?
看護師業界では派遣の経歴はマイナスになりません。
私は看護師歴約10年の中で、派遣会社2社で派遣をしました。
派遣の経歴がある状態で公立病院に就職しましたが、面接ではスルー。マイナス評価を受けることもありませんでした。
常勤でないとはいえ、業務は看護業務であり、ブランクでもなければ特殊な経歴でもないからです。
看護師の派遣については、今までも禁止ではありませんでしたが、2021年の法改正で本格的に『派遣解禁』という流れになりました。
なので、『派遣看護師』は今後ますますメジャーな働き方になっていくでしょう。
【初めての派遣看護師】登録しておきたい人材派遣会社
派遣看護師として働くには、人材派遣会社が持っている案件に応募するのが一般的です。
正職員で就職するなら直接応募もよくあるのですが、派遣だけは仲介会社を通すしかありません。
そこで、5か所で派遣看護師をしてきた私が、『登録しておきたい派遣会社』をご紹介します。
レバウェル看護 派遣(旧 看護のお仕事派遣)
『レバウェル看護』というと聞き慣れないかと思いますが、リニューアル前の社名は『看護のお仕事』。
看護師人材紹介会社の中でも業界最大手の一つと言えます。
中でも【レバウェル看護 派遣】 は、業界では珍しい「看護師の人材派遣に特化した」会社です。
残念ながら、今のところ全国対応はしておらず、関東・関西・東海地域に絞って対応しています。
とはいえ、実際に医療機関に足を運んで正確な情報を得ているので、信頼性は◎。
業界大手だからこそ集められる好条件の求人(非公開)も多くあり、
関東・関西・東海エリアの方は登録しておいて損はないです。
他社と同様に、会員登録すると面談(対面または電話)があります。
職種や条件の希望があれば、積極的に伝えましょう。
詳細記事:レバウェル看護(旧 看護のお仕事派遣)の基本情報まとめ
公式サイト:【レバウェル看護】
MCナースネット
MC─ナースネットを推す一番の理由は、全国に25の拠点を持つ大手だということ。
求人数は2万件以上で、都市部はもちろん、地方の案件にも強いです。
単発、派遣、非常勤、常勤
どんな働き方にも対応してくれるのも魅力。
また、希望する職種や条件がまとまっていなくても、会員登録後には面談(カウンセリング)があるので、担当者さんと相談しながら、考えをまとめていくことができます。
この面談だけでも、「選択の幅が広がった」「自分と向き合えた」など得るものが大きいですよ。
詳細記事:MCナースネットの基本情報まとめ
公式サイト:MC─ナースネット
ちなみに派遣会社を選ぶ基準は…
転職斡旋や人材派遣の会社選びはとにかく『大手』です。
理由は4つあって
【人材派遣会社は大手がベストな理由4つ】
- 人脈・コネクションあり→交渉ごとに有利、交渉スキルも高い。
- その会社を通して就職したナースが多い→内部情報を多く保有している。
- 社員数が多い→社員研修が確立されていて、担当者さんの対応がレベル高い傾向。
- 全国支社が多い→各地域や各施設の特性をきめ細かく把握している。
派遣は短期的な仕事とはいえ、選択ミスはしたくないですよね。
なので大手の会社を選んでおいた方が安心かなと思います。
【派遣会社への登録】1社だと情報不足、2社以上がベター
各社持っている案件が違ったり、同じ案件でも給与などの条件が違ったり、ということがあります。
なので、複数の派遣会社に登録して広く案件を見渡してみるのがオススメです。
私が初めて派遣看護師をしたころは、複数登録した方が良いとは知らず、1社に頼って働いていました。
そのうち、1社目は私が希望する地域の案件をあまり持っていないことに気が付いて、もう1社登録しました。
どこも一緒でしょと思っていたのですが、違ってましたね。
1社に頼らず、複数社の案件を見渡した方が、ベストな選択ができると学びました。
同じ案件でも派遣会社によって給料条件が違うってことは本当にあるので、比較って大事です。
同じ仕事をしているのに、別の派遣会社から来た人の方がお給料高いってショックですよね。
まとめ
私が実感した、派遣看護師のメリット&デメリットをご紹介しました。
個人的にはメリットが圧倒的なので派遣で働くのが好きです。
ですがデメリットもあります。
世間で言われているような、『スキルアップできない?!』『経歴としてマイナス?!』といった意見ついては、実際は心配する必要はありません。
- とにかく経験値が増える、
- しかもお給料も良い
こんな派遣看護師を、みなさんも一度は経験してみてほしいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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